病原菌イメージ

ネズミの被害で最も深刻なのが病原菌の媒介です。

ネズミは、ホコリだらけ場所、下水道ドブの中、下水管の中など、家の中、外にかかわらず、どこでも移動する野生動物です。
当然その体にはダニ、ノミ、寄生虫、病原菌などが体についています。
また。ネズミの糞や尿などの排泄物から発生する病原菌もあります。

その不潔すぎるネズミが家に入り込んで菌を撒き散らすのです。

病原菌の中には時に死に至るものもあるので「たかがネズミ」と思わないでください。

応急処置的には、ネズミ捕獲器などで一匹一匹取っていくこともアリですが、外からの侵入口があるようであれば根本的な解決にはならないでしょう。
ネズミにとって居心地の良い家は、獲っても獲っても無限に入ってきます。

以下は、ネズミによって運ばれる病原菌の一覧です。

ネズミに噛まれることで感染する病気

鼠咬症(そこうしょう)
その名の通り、原因菌をもったネズミに噛まれたり、傷口から原因菌が入ることで起こる病気です。
ネズミだけではなくリスなどのげっ歯類の動物に咬まれて起こる場合もあります。

ちなみにペットショップで販売されているハムスターは病原菌をほとんどもっていないので、鼠咬症を起こすことはありませんが、アメリカではハムスターに咬まれて鼠咬症にかかった例があるそうです。

原因菌モニリホルム連鎖桿菌、鼠咬症スピリルム
潜伏期間3〜5日
症 状3〜5日の潜伏期の後、突然の悪寒、回帰性を示す発熱(上がり下がりを繰り返す)、頭痛、嘔吐、筋肉痛などインフルエンザのような症状で発症します。
ほどんどの場合、暗黒色のハシカのような発疹が四肢の内側や関節の部位に現れますが、数日で消滅。
痛みを伴う多発性関節炎を起こします。
合併症としては心内膜炎、膿瘍の形成、肺炎、肝炎、腎炎、髄膜炎など。
致死率
アナフィラキシーショック
ネズミに噛まれることで人間の体内で急激なアレルギー反応が起こる状態。
ハチに刺されて発症することで有名ですが、ネズミの場合でも同様に発症する場合があります。

全身の腫れ、呼吸困難、意識障害の症状が現れ時として、死に至る場合もあります。
一度症状が落ち着いても、しばらくるると症状が再発することがあるので、もしネズミに噛まれたらすぐい病院に行ってください。

ちなみに、アナフィラキシーショックは、ハチでも2回やられないと発症しないという認識があるかもしれませんが、1回でも起こる場合がありますし、3回、4回とやられた場合、初めて発症する場合もありますので、1回目だから大丈夫と思わないでください。

ネズミ経由で感染する病気

サルモネラ感染症(食中毒)
ネズミは夜になると台所や倉庫などの食べ物のある場所に現れ、食べ散らかし床、テーブル、食器などに排泄したりします。
ネズミ本体や、排泄物に多く含まれているサルモネラ菌が食べ物や食器などに付着し、それを口にすることで人体に感染します。

◆症状

原因菌サルモネラ菌
潜伏期間
症 状発熱、嘔吐、腹痛、下痢などの急性胃腸炎。
体力のない高齢者や乳幼児は重症化しやすく、重症の場合、死亡するケースもある。
致死率
腸チフス
ネズミの排泄物によりチフス菌に汚染された飲食物から感染する。

原因菌チフス菌(サルモネラ菌の一種)
潜伏期間
症 状腹痛、頭痛、発熱、関節痛、血便
特に衛生環境が悪い場所で感染・流行する。
致死率
レプトスピラ症(ワイル病)
ネズミの尿を介して水や土壌を経て皮膚感染する病気。
レプトスピラ症は、人間だけではなく、家畜や犬、ネコ、ハムスターなどペットにも感染する人獣共通感染症。
ネズミの中でも、ドブネズミが主な感染源だとされています。
ドブネズミの住む下水溝なども感染経路となるときがあります。

原因菌レプストスピラ菌
潜伏期間
症 状悪寒、高熱、頭痛、倦怠感、眼球結膜の充血、筋肉痛、腰痛、黄疸など
無症状の場合もある。
致死率5~40%。
ハンタウィルス肺症候群
病原菌は、ネズミなどのげっ歯類の動物が持っており、咬まれたり糞尿に触れたりすると感染。
以前アメリカで流行。現在、日本では症例はないが、ネズミは舟などの積荷から日本へ渡ってくる可能性もあるので油断はできない。
有効な治療法は、未だ確立されていない。

原因菌ハンタウイルス
潜伏期間10〜30日
症 状発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、嘔吐、下痢、倦怠感などを伴い、急激な呼吸不全に至る。
致死率37~50%
腎症候性出血熱
ねずみの唾液や尿を感染源としてハンタウィルスの感染による出血性腎疾患。
ネズミの排泄物を通して人体へ感染する。
原因が発見されるまで、長らく原因不明の風土病・奇病として扱われていた。

原因菌ハンタウイルス、ソウルウイルス・ドブラバウイルスなど
潜伏期間
症 状発熱、頭痛、腎不全による乏尿・多尿、ショック症状、皮下および臓器の出血。
重症化すると死亡することもある。
致死率10%
E型肝炎
ウイルスに汚染した食品から感染するウイルス性肝炎の一種。

井戸水や加熱していない豚肉やレバーから感染する他、ネズミがウイルスを媒介することもあります。

原因菌E型肝炎ウイルス
潜伏期間15~60日間
症 状倦怠感、発熱、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振、肝臓腫大、黄疸、関節痛。
妊婦が感染した場合は、劇症化しやすい。
致死率

ネズミに寄生するノミ、ダニから感染する病気

ツツガムシ病
【ツツガムシ(ダニの一種)】

ツツガムシ病は、ツツガムシというダニが持つ「ツツガ虫リケッチア」が原因で起こる感染症。

秋~春を中心に北海道・沖縄以外の地域でみられ、毎年全国で数百名の発症が分かっています。

ネズミは直接の原因ではありませんが、ツツガ虫はネズミの体にも寄生していることが多く、ヒトにも寄生して体液を吸うため、ネズミが住み着いている家では、ヒトもツツガムシに寄生されやすくなってしまいます。

致死率が高く、早急な治療が必要とされます。

原因菌ツツガ虫リケッチア
潜伏期間5~14日間
症 状・刺し口が水疱になり、咬まれて10日ほどでかさぶたになる
・高熱が続く
・胸、背中、顔などに発疹が出る
・重症化すると脳炎や肝機能障害などが起こることもある
致死率
ペスト
ペスト菌を持つネズミの血液を吸ったノミが人間を刺すことで感染。

高熱が続き、目まい、虚脱状態に陥り、皮膚が乾いて黒紫色の大きな斑点が浮かんできます。このような症状から「黒死病」との別名があります。
アフリカやアジアなど発展途上国でしばしば見られますが、1926年以降、日本国内ではペスト患者は発生していません。

原因菌ペスト菌
症 状発熱・嘔吐・倦怠感・血痰・敗血症など。
致死率15%以上
原因菌
潜伏期間
症 状
致死率